NYのメトロポリタン美術館に何回も通ううちに発見して好きになった、マニアックな作品やコーナーをご紹介します。
- 「教科書レベルの印象派作品以外に何があるの?」
- 「前に行ったけど、二回目行く価値ある?」
- 「フェルメールはどこ?」
- 「ハイライトツアーのあとに何を見よう?」
という人のご参考になれば嬉しいです!
私は美術の超素人で絵心もない左脳人間ですが、美術館に行くのは好きで、メトロポリタン美術館には15回以上通ってます。
※初めて行く際は、
・美術館公式「無料ハイライトツアー」(1時間。日本語もあり)
・JTB主催「日本語ガイド付きオプショナルツアー」(2.5時間で入館料込10,355円)
に参加すると主要作品を網羅&理解できます!
※当サイトでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。
タップできる目次
青いカバのウィリアム
<エジプト美術>
館内右手の入口から入ると、エジプト美術のコーナーです。
ここにはメトロポリタン美術館のマスコットキャラとして愛されている展示品があります。
William the Hippo
場所:Gallely 111(110から入ってすぐ左側のガラスケースの中)
青いカバのウィリアム君。
「ギフトショップで見かけるあのカバはいったい何?」
と思っていたのですが、古代エジプトで埋葬品として作られていたカバだそう。
初対面の印象は「小っちゃっ!!」
全長20センチくらいです。
お見逃しなく!
<アメリカ美術>
メトロポリタン美術館に初めて行く日本人は素通りしちゃうかも?なアメリカ美術コーナー。
全米最大級の美術館だけあり、有名作品がたくさんあります。
ティファニーのステンドグラス以外に好きなのはこちら!
フランク・ロイド・ライトの部屋
The Frank Lloyd Wright Room
場所:Gallely745
フランク・ロイド・ライト設計のリビングルームが丸ごと移築されています。
家具・窓・照明もすべてライトがデザインしたものです。
出典:The Frank Lloyd Wright Room
窓の感じも、照明も、家具も、全部素敵。
不思議と懐かしさを感じて、特にランプや壁の照明はどこか日本っぽい。と思ったら浮世絵も飾ってありました。
この部屋は、とある夫妻の別荘としてライトが設計し、ミネソタ州ミネトンカ湖畔に建てられた邸宅の一部。
夫妻の死後、子孫が家を維持できなくなり、分解されリビングはMETにやってきました。
ちなみにライブラリールームはペンシルベニア州、廊下はミネソタ州の美術館に展示されているそう。
「デラウェア川を渡るワシントン」エマヌエル・ロイツェ
Washington Crossing the Delaware, 1851, Emanuel Leutze
場所:760
「デラウェア川を渡るワシントン」は最も有名なアメリカ絵画のひとつ。
舞台はアメリカ独立戦争。
1776年12月26日ニュージャージー州「トレントンの戦い」を描いた作品です。
2,500人の部隊を率いるジョージ・ワシントンがデラウェア川を渡り、ドイツ人傭兵部隊に勝利。独立戦争の転機となったと言われています。
描かれている細かい部分が史実と違う、といったツッコミもあるようですが、とにかく有名作品。
社会科見学らしき子供たちが群がっていることも多いです。
「マダムXの肖像」サージェント
Madame X (Madame Pierre Gautreau), 1883–84, John Singer Sargent
場所:Gallely771
アメリカに住んでから知って好きになった画家のひとり、肖像画家サージェント。
「マダムX」のモデルは実在するパリ社交界の著名人。
アメリカ出身でフランスに嫁いだ、裕福な銀行家夫人です。
当初、向かって左側の肩ひもが落とし気味に描かれていたことに対し、「品がない」とパリのサロンでスキャンダルに発展。
サージェントはストラップ部分を描きなおし、その後30年以上公開されることはありませんでした。
後にメトロポリタン美術館に売却した際に彼は、「これは自分の最高傑作だと思っている」とコメントし、同時にモデルを匿名とすることを条件としました。
サージェントの最高傑作が、永遠のお蔵入りにならなくて本当によかった・・・!
「フェルプス・ストークス夫妻」サージェント
Mr. and Mrs. I. N. Phelps Stokes, John Singer Sargent, 1897
場所:Gallely771
「マダムX」の右隣にもう一人美人さんがいます。
紅潮した頬が生き生きとしてる!
夫妻の結婚祝いとして贈られた肖像画。
旦那さんはこの絵では影が薄いけど、こーんな大きな肖像画が贈られるくらいですからきっと大物だったのでしょうね。
「ウィンダム姉妹」サージェント
The Wyndham Sisters, John Singer Sargent, 1899
場所:Gallely771
ロンドン資産家の三姉妹。
キャラクターが出ていて、説明を受けずとも誰が何番目なのか一目瞭然なのがほほえましい。
<ヨーロッパ絵画>
フェルメール 全5作品
世界中に30数点しかないフェルメール作品のうち、メトロポリタン美術館に5点あります。
「牛乳を注ぐ女」Young Woman with a Water Pitcher
「少女」Study of a Young Woman
「リュートを調弦する女」Young Woman with a Lute
「眠る女」A Maid Asleep
「信仰の寓意」Allegory of the Catholic Faith
場所:Gallely964
(前は2階のヨーロッパ美術にありましたが、現在は地下の特別展に飾られています)
「春」「嵐」ピエール・オーギュスト・コット
(上)Springtime, 1873
(下)The Storm, 1880, Pierre-Auguste Cot
場所:Gallely827
すごく好きなわけじゃないのに、なぜか気になって、毎回眺めちゃうのなんでだろう。
物語性があって少女漫画っぽいから?!
恋する女性の眼をしてます。
作者のピエール・オーギュスト・コットはフランス出身の画家。
同世代には「印象派の父」マネがいます。
<イスラム美術>
イスラム美術も見逃されがちなコーナーだと思いますが、美しいモザイクタイルや絨毯が展示されています。
特に女性は好きな人多いはず!
イスラムのモザイクタイル(ミフラーブ)
場所:Gallely455
イランの古都イスファハンにあったモスクの一部(メッカの方角を示す設備)
ムガル帝国のジュエリー
場所:Gallely463
目の保養に!
<アジア美術>
ニューヨークでホームシックになったら、日本美術のコーナーへGO!
日本美術・和室(書院造)
場所:Gallely226
上の和室にはあがれませんが、日本美術コーナーの休憩用ベンチはなんと畳になっています。芸が細かい!
畳に座って屏風を眺めていると、
「はるばる海を渡って、アメリカで頑張ってるんだねぇ・・!」
と思わず屏風に感情移入してしまいます。
場所:Gallely228
<ロバートリーマンコレクション>
銀行家ロバート・リーマン氏のコレクションがまとめて展示されているコーナー。
リーマンショックでおなじみ「リーマン・ブラザーズ」のリーマンさん。
「ド・ブロイ公爵夫人の肖像」ドミニク・アングル
Princesse de Broglie, 1851–53, Jean Auguste Dominique Ingres
場所:Gallely957
お肌が白くてすべすべ~!なにより水色のドレスの質感がすごい!
彼女はMET公式カタログの表紙になるくらい推されているので要注目です。
※展示場所は2019年10月現在です。今後変更される可能性もありますのでご了承ください。
最新の展示場所は公式HPで調べられます>>The Met Collection
メトロポリタン美術館 基本情報
営業日・営業時間
日–木曜日:10:00 am – 5:30 pm
金、土曜日:10:00 am – 9:00 pm
休館日 :Thanksgiving Day、12/25、1/1、5月第1月曜日
チケット予約
チケットは当日、美術館の窓口やキオスクで購入できます。
並んでいる場合があるので、待ち時間を短縮したい人は事前にネット購入もできます。
公式サイト>>Metropolitan Museum of Art
ニューヨーク州の住人は任意の入場料で入館できます。この場合、事前予約はできず、係員のいる窓口でIDを見せてチケットを購入します。
JTB「日本語ガイド付きオプショナルツアー」に参加して、2.5時間みっちりガイドしてもらう方法もあり!
詳細は>>メトロポリタン美術館 「美術専門ガイドによる解説ツアー」
お土産だけ買いたい場合
お土産屋さんだけ行きたい場合は、チケットは不要です。
正面の入口から入って、右奥に大きいお土産ショップがあります。
たくさんの本、オリジナルグッズ、ポストカード、文房具からアクセサリーまで。
気に入るものがきっと見つかると思います。
行き方
最寄り駅は地下鉄4,5,6番線の「86th street」駅です。
The Met Fifth Avenue
住所:1000 5th Ave, New York, NY 10028
▼メトロポリタン美術館の分館、クロイスターズ美術館
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